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大阪地方裁判所 昭和43年(わ)2925号 判決 1969年5月30日

(一)本店の所在地

大阪市生野区巽四条町八五六番地

名称

株式会社 白井商店

代表者の氏名

白井輝男

(二)本籍

大阪市北区今井町一番地

住居

同市生野区巽四条町三〇二番地

サンキユーマンション三階一〇号室

職業

会社役員

氏名

白井輝男

生年月日

昭和七年一〇月二四日生

右被告人両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官岡靖彦出席の上審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社白井商店を罰金三五〇万円に、被告人白井輝男を懲役六月に処する。

被告人白井輝男に対し、本裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社白井商店は、大阪市生野区巽四条町八五六番地に本店を置き、天津栗の輸入販売等を業とするものであり、被告人白井輝男は、昭和三〇年八月一八日から同四二年一〇月二二日まで右被告人会社の従業員として、同会社の代表取締役であつた白井三吉を補佐して同会社の仕入、売上、経理の各業務を担当していたものであるが、被告人白井輝男は、右白井三吉と共謀のうえ、被告人株式会社白井商店の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一、被告人株式会社白井商店の昭和三九年八月一日から同四〇年七月三一日までの事業年度において、その所得金額が一九六二万五七〇一円、これに対する法人税額が六九六万九〇〇円であるのに、売上収入金、受取利息の一部を公表経理帳簿から除外するなどし、これによつて得た資金を仮名預金口座に預入して秘匿する等の不正行為により、右所得金額中一二一八万七〇三九円を秘匿したうえ、昭和四〇年九月三〇日大阪市生野区生野税務署において、同税務署長に対し右事業年度分の所得金額が七四三万八六六二円、これに対する法人税額が二四五万七六〇〇円である旨過少に偽つた法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税四五〇万三三〇〇円を免れ、

第二、被告人株式会社白井商店の同四〇年八月一日から同四一年七月三一日までの事業年度において、その所得金額が三五〇八万八〇九二円、これに対する法人税額が一二二七万七三〇〇円であるのに、前判示同様の不正行為により、右所得金額中一七二五万六四四八円を秘匿したうえ、同四一年九月三〇日前記生野税務署において、同税務署長に対し、右事業年度分の所得金額が一七八三万一六四四円、これに対する法人税額が六〇六万七四一〇円である旨過少に偽つた法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税六二〇万九八九〇円を免れ、

第三、被告人株式会社白井商店の同四一年八月一日から同四二年七月三一日までの事業年度において、その所得金額が三四四七万三〇四四円、これに対する法人税額が一一六一万九〇〇円であるのに、前判示同様の不正行為により、右所得金額中一八九六万八八〇六円を秘匿したうえ、昭和四二年九月三〇日前記生野税務署において、同税務署長に対し、右事業年度分の所得金額が一五五〇万四二三八円、これに対する法人税額が四九七万四六〇〇円である旨過少に偽つた法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税六三六万六三〇〇円を免れ、

たものである。

(証拠の標目)

判示の各事実につき

一、被告会社の登記簿謄本

一、白井輝男作成の被告会社定款の証明書

一、大蔵事務官作成の被告会社の「法人税確定申告書証明」

と題する各書面(合計三通)

一、被告人白井輝男の当公判廷における供述

一、同被告人の検察官に対する各供述調書(合計三通)

一、収税官吏作成の同被告人に対する各質問てん末書(合計六通)

一、同被告人作成の各供述書(合計三通)

一、次の者らの検察官に対する各供述調書

戸咲貞七 白井保雄 白井よ志子

一、次の者らに対する収税官吏作成の各質問てん末書

白井保雄 白井よ志子 白井敏雄 西原正則 大高礼子

一、次の者ら作成の各供述書

小谷晃三 大和義明 西原正則 室津実 大西昇美

一、次の者ら作成の各「確認書」と題する書面

小谷晃三 加藤泰三 水本雄久 大西昇美 中村昭三 堀内行男

大高健蔵

一、水野良博作成の各調査てん末書(合計三通)

一、西原正則作成の「架空定期預金明細書」と題する書面

一、国税査察官の簿外売上仕入調査書類(一綴)

一、押収の次の各帳簿書類(括弧内は、押収番号昭和四四年押第九一号の枝番号を示す。)

金銭出納帳五冊(1. 5. 9. 23.) 総勘定元帳三冊(2. 6. 10.) 元帳三冊(3. 7. 11.) 売上帳三綴(4. 8. 12.) 天津栗入出庫表三綴(13ないし15) 天津栗出入帳五綴(17ないし21) 甘栗出入明細表三綴(22) 商品入出庫明細帳二冊(24) 出庫伝票一綴(25) 取引実態管理表一綴(26) 印鑑二五個(27) 冷蔵台帳二綴(28、29)

(法令の適用)

被告人株式会社白井商店関係

判示の各事実につき それぞれ法人税法第一五九条第一項、第一六四条第一項

(併合罪の処理) 刑法第四五条前段、第四八条第二項

被告人白井輝男関係

判示の各所為につき それぞれ刑法第六〇条、法人税法第一五九条第一項(各懲役刑選択)

(併合罪の処理) 刑法第四五条前段、第四七条本文、第一〇条(判示第三の罪の刑に法定の加重をする。)

(刑の執行融予) 同法第二五条第一項

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 井上清)

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